optane memory を使って感じた事 (雑記)(前編)
今から3年くらい前に据え置き型のオーディオを見限ってポータブルオーディオに手を出した時にdigital audio player (以下DAP)を使っているにもかかわらず、ちゃんと音が出るにもかかわらず、イヤホンやヘッドフォンとの間にやたらとアンプを挟もうとする人が多いのに驚きました。それまでのオーディオの知識からすると歪が増える事はあれ、それによって良い音になるとは信じがたい行為でした。
最近になってそれはDAPから出て来る音が物足りないから味を足そうという行為なのかと思いました。そう感じるだけでなく、実際DAPから出て来る音は何らかの情報量が少なくてそれを補おうとじたばた(失礼)しているのだと思いました。レコードの音を聴いていたアナログの音声に比べて足りないものが何かは分かりません。少なくともソニーがやっている歪やノイズが足りないといったものではないと思います。情報量=ごく細かな音かも知れないとは思います。ただアナライザをつなごうが微細な音の振幅をきちんととらえるのは難しいかもしれません。
やはりアンプの追加は解決策とは思えないので私はちょっとだけ真空管を使ったアンプも使ってみましたが、別のやり方でDAPから出て来るアナログ音声の情報量を増やせないかと考えました。実際にやった事はDAPにOTGでSSDをつないでDAP内のSocなりDACに高速に信号が伝わるようにする事です。ばかの一つ覚えですが、より高速に接続すれば情報量の取りこぼしや劣化も防げそうな気がしたのです。
最初に使ってみたDAPはCayin N8でした。偶然やってみたらうまくつながったという側面もあります。最初はSATA接続、次にNVMeのM2規格のSSDを外付けケースで接続して音を聴き始めました。その時点で内臓メモリやmicroSDカードに音源を入れたのと何か違うかと言われれば、音場の広さが増してより左右の端の音が聴こえやすいと感じられました。自分では時折やたらと狭く感じられるmicroSDの音場に比べてとても魅力的に思えました。
このOTGSSD接続には大きな欠点があります。音質ではなく聴ける時間が短くなるという点です。電力消費が少ないSATASSDで2Wくらい、NVMeSSDでは多い物だと4W以上を消費します。当然DAPから供給するわけで、その結果DAPを聴ける時間が短くなります。
細かい事は省いて、私は音のメリットを取って4時間程度聴ければいいと割り切って使う事にしました。Cayin N8はDAPの中でも特に大きなバッテリーが入っていますが、私の聴き方でSATASSDで6時間くらい、NVMeSSDで4時間半くらい聴けました。
SATASSDはWestern Digital Blueを使い、NVMeSSDはSamsung 970Evo Plusを使いました。あくまでWindows PCから計ったスピードですが、その頃のベンチマーク結果が以下の通りです。
ちょっとSATASSDだけベンチマークソフトのバージョンが違いますが、数値の比較はできると思います。計測値によるSSDの優位は明らかで、特にランダムリードに大きな違いがあります。内臓メモリはN8の内臓メモリで、microSDはSamsung 256GByteのEvo Plusを使いました。
DAPから見た速度はまた違うでしょうが、外付けSSDケースの変換チップがDAPに入っているOSに対応していれば速度もそんなに変わらないと思っています。
さて、ここまではCayin N8を使っていましたが、ある理由で使うのを止めました。音の細部がビシッと出てくれるのは高級DAPのいい所ですが、N8の音に堅苦しさを感じ始めたからです。また機械としてN8が好きかと言えば、機械精度が今一つな所もあって手放す事にしました。
次に購入したDAPはiBasso DX160です。値段は4万円弱なのでN8の十分の一です。音は十分の一にはなりません。音の細部は少しボケたり滲みますが、まずまず満足できる音です。そして私がよく使っているイヤホン、AUDEZE LCDi4にはイコライザーの補正が必要で、細かく調整できるパラメトリックイコライザーが載っている事も購入を決めた一因です。
ここからはiBasso DX160で試しました。 (後編に続く)
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