音楽用メディア(途中)

音楽再生用の物理メディアを見てみると現状LP(アナログレコード)、CD、DVD、Blu-ray、SACD、フラッシュメモリ等のの種類があります。

将来に向けてどのメディアが生き残るかと考えてみました。

LP(アナログ・レコード)は最近発売や再生産が増えていますが、これは音楽メディアとしてはあまり有望ではなかろうと思っています。理由はカートリッジの高騰です。かつては日本のメーカーもダイナベクター等小さなメーカーも特徴のある製品を出していて80年代には2~3万円台から面白い製品が買えたものですが、今その環境はありません。長くやっているメーカーもやたらと高価な製品が多くなり、面白そうだと思える製品は軽く10万円を越えてしまいます。これから新規にLPの再生装置を組むにはトータルで少なくとも40~50万円をプレーヤー+カートリッジにかけるかおもちゃのような装置で我慢するかしかないように思えます。今のLPはほぼ金持ちの為のメディアであり、広く一般の人が音楽を楽しむものではないと思います。カートリッジの高騰は一説には中国人が高価な製品を喜んで買い漁ったからだともいわれていますが、真偽は定かではありません。アナログ市場の縮小も理由の一つではないかと思っています。高くても安くても売れる数が変わらないなら高くなるでしょう。

CDは物理メディアの中で現状最も生産され、売れていると思います。しかしアメリカのRIAAの統計によると2019年度の音楽メディア売り上げでCDは10%に過ぎず大部分(80%)をストリーミングが占めています。

アメリカではCDに対するお金のかけかたはかなり減じていると思われます。日本もこれからストリーミングの普及でどんどんCDから顧客が流れていくでしょう。

一つの希望はChordのHUGO M ScalerのようなCD規格の音源の高音質化技術が出てきている事。まだ製品は非常に高価ですがだんだんと普及していくのではないかと思います。

いま一つはMQA-CDの普及です。ユニバーサルやワーナーミュージックが日本を中心に多くのタイトルを売り出しましたが、アメリカでもCheskyをはじめとして少数ながら売り出されています。最大352.8kHz24Bitのサンプリングで音楽が記録できるので高音質のメディアとしては有望だと思います。ネックになるのはCD音質ではなくて本来のMQA音質の再生にソフトウェア+ハードウェア、またはその両方の役目をこなせるハードウェアが必要な点です。これも最近ではかなり安価なものも出てきています。しかしあまりうまい話はないもので、再生される音質はその装置のグレードにより左右されます。4.5万円の機械と100万円を越える再生機器が同じ音がするはずはないのです。

CDの再生音は最近のDAC等の再生機器で聞くとその登場時期の80年代あたりの再生機器とは同じCDでも別物のような音がする場合があります。これも一つの良い点と考えていいと思いますが、CDを再生する機器の、主にDACの進歩によってCDの再生音自体が良くなっていると思われます。

DVD(audio)は、商売のまずさやそれを推し進めた人たちも手を引いたようなのでもうオーディオメディアとしては収束したと考えていいと思います。

 Blu-ray Audio だいたいが96kHz24Bitのサンプリングで売り出されたように思います。こちらはまだ「生きている」メディアではないかと思います。一部イーグルスの記念Blu-rayのように192kHzのサンプリングになっている例もあります。

 MQA-CD こちらはユニバーサルミュージックやワーナーミュージックが大量にリリースしたので少し有名になった?メディアです。サンプリング周波数が352.8kHzまである高音質CDです。難点は専用のCDプレーヤーやDACを使わないと本来の高音質で聴けない事。またMQA-CDからリッピングしたファイルをDACを通したりDAPに入れて聴く事もできるのですが、公式がリッピングに関しては推奨する機器や方法を明らかにしていない事がネックです。
 


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