松戸のパン屋さん Zopf
松戸に住んでもう数十年になるが、未だにZopfという店をとらえ切れていない気がする。東京駅のエキナカにZopfというパン屋さんがある。確かにこの松戸のZopfの名前ではあるが、本来のZopfはカレーパン屋さんではない。
食パン、グラハム食パン、フランスパン、ライ麦パンなど基本の食事パンから各種調理パン、サンドイッチ、ペストリー、あんぱん等の甘いパンまで何でも揃う。一度に全てのパンが店に出ているわけではないが、すごい数のパンが狭い店内に所狭しと並び職人さん、店員さんが忙しく立ち働いている。
http://zopf.jp/
初見の客は店に入ってもこの店の商品を把握しきれない。2,3度行っても同じである。カレーパンだけ買っていく客はよほどカレーパンを愛しているか、断片的な情報を持ってとりあえずこの店に来た客だろう。カレーパンも旨いが、本当に買うべきはそれではない。
この店のパンを見ると必ずしもフランスやドイツのもとになったパンそのままというわけではないと思う。アレンジされているとは思うがおいしく、ライ麦パンもクセがない。以前は店内に石臼が展示されていて動いていたかと思うが、最近は見ない。 ゆっくり高温にならないように挽いているのかと思った記憶がある。
調理パンもかつサンド(分厚いとんかつと新鮮なキャベツが挟んである)といった一般的なものもあれば季節物の牡蠣のキッシュまで色々な種類がある。 全体に値段は普通のパン屋さんより高めだが、多分良い食材を使っていると思うし、たっぷりした量がありけちけちした使い方をしない。カレンツのパンもカレンツたっぷりだ。本来この店で買うべきはこの調理パンだと思う。
甘いペストリーも見た目からしておいしそうだ。お菓子屋さんのものとは違うが、これはこれでおいしい。
お会計でレジに行くと、たいてい見落としているレジの左下にある冷蔵ボックスに気づく。パンに塗ったり挟むための色んなフィキシングを売っている。レバーペーストや豚のリエットもあれば、黒糖ラムバターやブルーベリークリームチーズもある。食パンとこのフィクシング数種を買って行ってサンドイッチを作っても面白そうだ。
ここ数年は食パンに特化したパン店が増えていたが、Zopfはそれと真逆に全方位の商品を作り成功している稀な例だと思う。決してどこかの食品を企画する会社や人物が作った店ではない。それらとは真逆な存在だと思う。手作りで暖かい。がしかし、特に調理パンはよく調理法や味を研究して作られている気がする。ブログを見ると多分シェフが食べるのが好きな人らしい。
https://zopf.exblog.jp/page/1/
ドイツ風ではなくドイツのパン、フランス風ではなくフランスのパンといったお店も好きだけど、Zopfのような地域の、稀有なパン屋さんも長く続いていってほしい。
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