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ケーブルと情報量

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ポータブルオーディオを始めた頃にこの分野ではやたらと高価なヘッドフォンやイヤホンケーブル、ミニミニケーブルがありますが、その音の優位性を理屈で説明しているメーカーがほとんどないように見えました。キンバーケーブルは例外です。据え置きオーディオの方でも長く評価されているメーカーで独特のケーブル構造を持ち、1本の線の中もマルチストランドです。 一方エフェクトオーディオやら国産ではRozenkrants、WAGNUS、Brise Audioどの会社をとっても製品が高価な理由の説明には遠いように見えました。Brise Audioからはデジタルケーブルを買ってみましたが、音にエネルギーがなくおかしいと思ったのでもう買うのは止めました。 そういったメーカーよりは据え置きオーディオのメーカーが作るポータブルケーブルの方が構造から理論からしっかりしているから良いだろうと思い、試してみました。 NordostやCardasのヘッドフォンケーブル、Audioquestの接続ケーブル、Crystal Cableのイヤホンケーブル等。その中でCrystal Cableは高価でしたがそれなりの音の違いが認められました。他のケーブルもストックケーブルより明らかに向上は認められましたが、明確に全く違うという程の音質差は認められませんでした。 その理由が何だろうと考えると、やはりDAPから出て来る音の情報量ではないかと思いました。私が持っている音源はe-onkyoから落としたハイレゾ音源と注意深くリッピングしたCDからの音源、中にはMQA-CDの音源もあります。音源自体の質はそう低くないと思っています。問題はやはりそこからSoCなりDACに持ってくる所だろうと思いました。少ない情報量ではケーブルが本来持っている能力は発揮できず大して考えられていないケーブルと理論を煮詰めて作られたケーブルとを比べても有意の差が出てこないのかと思いました。 全部のDAPを聴いているわけではないのでメーカーによっては記録媒体、microSDやSDカードとSoCとの間に高速なメモリを入れてそういった問題を解消しているところもあるかもしれません。Lotooなどはそれらしい記事も読みましたが、じっくりと確かめたわけではないので何とも言えません。 今回optane memory を使って以前よりはアナログケーブルを通る情報量が増...

optane memory を使って感じた事 (雑記)(後編)

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使うDAPがiBasso DX160になりましたが、ここでNVMeSSDが使えなくなりました。消費電力が大きすぎてDX160のバッテリーでは使えません。 黒のはSATASSDのケースですが、こちらは使えました。 DX160ではSATASSDを使う事にしたのですが、ここで本来の「音の情報量」について振り返ると、OTGSSDでは音場の変化があり、左右端の音がはっきり聴こえるというのは情報量の増加と言えなくもありませんが、まだはっきりしたものではありません。 接続スピードと音の情報量にはさほど関係がないかと思いましたが、新しいメモリを試してみてその考えが変わりました。optane memory を使い始めたからです。 optane memory の消費電力は3.5W。どうにかDX160 で使えるので上の透明なNVMe用ケースに入れて使ってみました。 optane memoryはoptane SSDと紛らわしいですが、本来のストレージではなくPCに入れてHDDやSSDを高速化するのに使う特殊なキャッシュメモリです。ストレージとして使うとランダムリードが非常に速く書き換えに強い特性があります。容量が小さい(私のは32GByte)のが玉に傷ですが、音楽用ファイルを置くストレージとしては特に高性能です。 上がベンチマークの結果ですが、特にcue1 thread1のランダムメモリの値は通常のNVMeSSDより高速です。 問題は音の変化ですが、私の耳には従来より明らかに情報量が増えたように感じられました。また特に低域のレスポンスが高速で音が重なっても濁りません。 音が濃いとはよく使われる表現ですが、このoptane memoryは真空管やらアンプ類は全く使いませんがより音が濃く感じられます。 仕組みはよくわかりませんが、アンプ等を使わないで情報量を多くする方向でこれからも試して行こうと思います。LCDi4用の4.4mmケーブルもようやくまともなものを作ってもらったので一段落です。 これで正しかろうと思っても常に疑ってかかる性格なのでoptane memoryを使ったOTGもまだ本当だろうか と疑いながら検証していきます。

optane memory を使って感じた事 (雑記)(前編)

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今から3年くらい前に据え置き型のオーディオを見限ってポータブルオーディオに手を出した時にdigital audio player (以下DAP)を使っているにもかかわらず、ちゃんと音が出るにもかかわらず、イヤホンやヘッドフォンとの間にやたらとアンプを挟もうとする人が多いのに驚きました。それまでのオーディオの知識からすると歪が増える事はあれ、それによって良い音になるとは信じがたい行為でした。  最近になってそれはDAPから出て来る音が物足りないから味を足そうという行為なのかと思いました。そう感じるだけでなく、実際DAPから出て来る音は何らかの情報量が少なくてそれを補おうとじたばた(失礼)しているのだと思いました。レコードの音を聴いていたアナログの音声に比べて足りないものが何かは分かりません。少なくともソニーがやっている歪やノイズが足りないといったものではないと思います。情報量=ごく細かな音かも知れないとは思います。ただアナライザをつなごうが微細な音の振幅をきちんととらえるのは難しいかもしれません。 やはりアンプの追加は解決策とは思えないので私はちょっとだけ真空管を使ったアンプも使ってみましたが、別のやり方でDAPから出て来るアナログ音声の情報量を増やせないかと考えました。実際にやった事はDAPにOTGでSSDをつないでDAP内のSocなりDACに高速に信号が伝わるようにする事です。ばかの一つ覚えですが、より高速に接続すれば情報量の取りこぼしや劣化も防げそうな気がしたのです。 最初に使ってみたDAPはCayin N8でした。偶然やってみたらうまくつながったという側面もあります。最初はSATA接続、次にNVMeのM2規格のSSDを外付けケースで接続して音を聴き始めました。その時点で内臓メモリやmicroSDカードに音源を入れたのと何か違うかと言われれば、音場の広さが増してより左右の端の音が聴こえやすいと感じられました。自分では時折やたらと狭く感じられるmicroSDの音場に比べてとても魅力的に思えました。 このOTGSSD接続には大きな欠点があります。音質ではなく聴ける時間が短くなるという点です。電力消費が少ないSATASSDで2Wくらい、NVMeSSDでは多い物だと4W以上を消費します。当然DAPから供給するわけで、その結果DAPを聴ける時間が短くなります。 細かい事は...

少し前からoptane memory をDAPのストレージにして音楽を聴き始めました。

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Intel Optane Memory 本来はPCに組み込んでHDDやSSDのパフォーマンスを上げるための特殊なキャッシュメモリです。今のPCを組むときに購入したのですが、少しいじったらRaidを組む形になるのか、とか使用中のSSDのスピードが結構速かった事もあってずっとお蔵入りしてました。 そのoptane memory の特性を調べてみたらデータの書き込みはSSD等に比べてそんなに速くないですが、読み込みが速く特にランダムリードが速いという所に目が行きました。これは音楽用の外付けストレージに使えるのではないかと思ったのです。 さっそく外付けケースに組み込んでみました。PCからCrystal Disk Markをかけた結果がこれです。 特に一番左下のQueue=1 Thread1のデータでも高い数値を出しています。DAPではそんなにCPUの力が大きくないと思うので、この数値は気にしています。 そして実際にDX160 とイヤホンで聴いてみると microSDとも他のSSDとも違った音の印象がありました。スピード感があります。速くて音が重なっても濁りません。音場感はちょっとイヤホンによって独特な感じがあります。そして音に力がある。エネルギッシュです。少し音のダイナミックレンジが広がるような感じがあります。実際には広がる事はないので、今まで抑制されていた分が解放されたと解釈しています。 まだ音の印象については途中経過です。たった32ギガの容量しかない外付けストレージですが、特にMQA-CDのリッピング音源を入れた時は素晴らしい音がします。サイズが小さいのでこのストレージには向いた音源だと思います。

Easy Lover

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Easy Lover という曲があります。まだアナログの時代にフィリップ・ベイリーとフィル・コリンズのボーカルで大ヒットになった曲です。これがフィリップ・ベイリーがボーカルだった関係で?アースウインド&ファイアのCDに入っています。 聴いてみましたが、アナログ時代にビッグシングルで聴いたこの曲のかっこよさが7割減くらいになっています。別に音程が狂っているとかノイズが入っているわけではありません。空間に音がぱっと広がる感じとか音の広がりがなくて音が小さくまとまってかっこよくないのです。変な話ですが、アナログをデジタル変換する時にこれは大失敗しているんではないかと思いました。曲がかわいそうというかアナログの音を知っているだけにこの音は認めがたい。 別バージョンを捜してみるとe-onkyoにハイレゾがありました。フィル・コリンズのシングル曲を集めたものです。 ハイレゾと言っても24Bit44.1kHzです。サンプリング周波数は上がっていません。ただしノーマルflacの他にMQAがありました。私は普通96kHzより下のサンプリングのMQAを買いません。そこが人間の感覚に時間軸情報が正しいと認識させることができるできないの境目だからです。 ですが今回はMQAを買う事にしました。MQAのマスタリングを行うチームはAD変換に問題があればそのコンバータまでさかのぼって補正を行うというのをどこかで読んだからです。 購入して聴いてみると音はまずまず。かっこよさが10割と言わないでも7割くらい復活した感じです。この曲に関してはまずまずです。このアルバムは音源が結構寄せ集めなので曲によってサンプリング周波数が変わったり質の上下があるのですがその中ではいいという印象です。

「MQA対応」について

最近はMQA対応のDAPやDAC(レンダラー)が増えてきました。日本ではあまり面倒がないけどこの「MQA対応」は別に「Tidal対応」じゃないですね。日本ではTidalのサービスが無いので(IP詐称をすると可能なようですが)MQAの音源はダウンロード販売で購入したものか2L等のフリー音源かMQA-CDをリッピングしたものになると思います。そういったファイルへの対応は問題なし。だがTidalのサービスのある地域ではMQA=Tidalのような構図があるようでWi-Fi等を通してTidalのサービスが聴けないと納得しない所があるようです。それだとWi-Fi が弱めのDX160はちょっときついんだよなあ。一度オフラインで落としてしまえばいいんだろうけど。